ログインできなくなったからその2
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いつも夜、会いたい人が遠くにいるとき、私はいつも電話してしまいます。電話越しで、会いたいって泣いてしまいます。
ある夏の暑い夜、私はクーラーをかけてもなかなか寝付けません。電話のプルプル言う音が、すごーく長く感じます。あ、今日何もしてないし、相手に何も報告することがないや、何喋ろう・・・そんなこと考えながら、相手が「もしもし」って出ると、私は言葉に詰まってしまいます。なんだか、変な虫を飲み込んだような感じがして、胸がキューと締め付けられます。「胸が苦しい」、って恋心を表現するときに使われる陳腐な言葉じゃなくて、本当に苦しくなるものなんだなぁ・・・という思いを頭にプカプカ思い浮かべながら、結局は言いたいことは何も伝えることが出来ずに「・・・じゃあね。また電話するね。」で終わってしまいます。あ~、もっと言いたいことは、いっぱいある筈なのに。
いつも、相手に電話し終わったとき、ジヂジヂジという肌を這うような音でびっくりさせられます。後をバッと振り返ると、そこには部屋の窓に外側からぶつかってくる蝉がもがいています。明るい私の部屋に入ってこようとしているのでしょうか。ぶつかって死んでしまうよ、と思いながら、もしやこれは、相手が蝉になって私に会いに来ているのかも、、などと思ってしまいます。だって、いつも電話し終えた後に、この蝉はやってくるのですから。もし、あの蝉が本当に人間の精神とかが乗り移ったものなのだったら、入れてあげなくちゃ!!と思って、窓に手を掛けるのですが、苦笑して「そんなわけないじゃん。」と思ってベッドへ戻り眠りを求めます。(それに、実際に蝉が部屋に入ってきたら、惨事。)
あの蝉は、もう命は少ないでしょう。だってジヂジヂジヂという声は物凄く物寂しげで、真っ暗い闇夜の中で弱々しく唸り、部屋に入ろうとぶつかるたびに、その命を削り取ってしまっているから。毎日毎日、相手のこちらへ帰ってくる予定日と反比例に、蝉の声はその勢いを失って、もう本当に人が咽んでいるような色を帯びてきます。
さて、会いたい人は、帰って来ました。もう、最近は蝉の声を聞くことはありません。そして、会いたい人に存分に会える時、もう蝉を思い出すこともありません。あの蝉は、きっとここから見える、グラウンドの草木に埋もれて一週間の命を終えたのでしょう。
夏が終わります。
ある夏の暑い夜、私はクーラーをかけてもなかなか寝付けません。電話のプルプル言う音が、すごーく長く感じます。あ、今日何もしてないし、相手に何も報告することがないや、何喋ろう・・・そんなこと考えながら、相手が「もしもし」って出ると、私は言葉に詰まってしまいます。なんだか、変な虫を飲み込んだような感じがして、胸がキューと締め付けられます。「胸が苦しい」、って恋心を表現するときに使われる陳腐な言葉じゃなくて、本当に苦しくなるものなんだなぁ・・・という思いを頭にプカプカ思い浮かべながら、結局は言いたいことは何も伝えることが出来ずに「・・・じゃあね。また電話するね。」で終わってしまいます。あ~、もっと言いたいことは、いっぱいある筈なのに。
いつも、相手に電話し終わったとき、ジヂジヂジという肌を這うような音でびっくりさせられます。後をバッと振り返ると、そこには部屋の窓に外側からぶつかってくる蝉がもがいています。明るい私の部屋に入ってこようとしているのでしょうか。ぶつかって死んでしまうよ、と思いながら、もしやこれは、相手が蝉になって私に会いに来ているのかも、、などと思ってしまいます。だって、いつも電話し終えた後に、この蝉はやってくるのですから。もし、あの蝉が本当に人間の精神とかが乗り移ったものなのだったら、入れてあげなくちゃ!!と思って、窓に手を掛けるのですが、苦笑して「そんなわけないじゃん。」と思ってベッドへ戻り眠りを求めます。(それに、実際に蝉が部屋に入ってきたら、惨事。)
あの蝉は、もう命は少ないでしょう。だってジヂジヂジヂという声は物凄く物寂しげで、真っ暗い闇夜の中で弱々しく唸り、部屋に入ろうとぶつかるたびに、その命を削り取ってしまっているから。毎日毎日、相手のこちらへ帰ってくる予定日と反比例に、蝉の声はその勢いを失って、もう本当に人が咽んでいるような色を帯びてきます。
さて、会いたい人は、帰って来ました。もう、最近は蝉の声を聞くことはありません。そして、会いたい人に存分に会える時、もう蝉を思い出すこともありません。あの蝉は、きっとここから見える、グラウンドの草木に埋もれて一週間の命を終えたのでしょう。
夏が終わります。
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